大阪の街のど真ん中にできた「大阪どぶろく醸造所」 Photo by Osakadoburokujozojo
「日本酒餐昧 うつつよ」のオーナー料理長の藤井章弘さんが始めたこの醸造所は、醸したてをその場で飲めて、買える「スタンドうつつよ」を併設しています。
↑スタンドうつつよ 店内
新日本酒紀行 地域を醸すもの NO.324「うつつよのどぶろく」
大阪府大阪市中央区
『大阪の街の真ん中で醸す、自然米のどぶろく』
(本文)
大阪の街の真ん中で、自然米でどぶろくを醸す大阪どぶろく醸造所は、スタンドうつつよを併設し、冷酒、燗酒、ソーダ割りなど楽しい飲み方を提案して、購入もできる。
醸造元は日本酒餐昧(ざんまい)うつつよのオーナー料理長の藤井章弘さん。
なぜ料理人が醸造の道に……。きっかけは、岩手県遠野市で自然栽培米を育て、どぶろくを醸し、民宿の料理人でもある佐々木要太郎さんとの出会いだ。
「風土を感じるどぶろくの味は、何なのかを知りたくて」、何度も通って農耕や醸造を手伝った。
農薬や化学肥料を排除した健全な土壌から生まれる米。その米を生かす発酵を経たどぶろくの力強さに魅了された。おいしい酒造りは土から始まる。この味や楽しさをみんなに伝えたいと、どぶろく醸造所を建てると決意。
醸造所には広い場所が必要だ。地方に移住する選択肢もあったが、「現場の空気が漂う中で、手造りの酒と肴を楽しめる酒場が大阪にあったら」と、うなぎの寝床のような30坪の店舗を借りた。
2022年2月にスタンドうつつよを先行して開き、佐々木さんのどぶろくを提供。7月に「その他の醸造酒」免許を取得し、醸造をスタート。師匠はもちろん佐々木さんだ。
そして23年11月に、大阪育ちのどぶろくが完成。うま味と甘味、酸味が調和し、エネルギーみなぎる元気な味は、飲む人みんなを感動させた。
「今は東北の自然米を使っていますが、ゆくゆくは大阪の米で」と藤井さん。自然な農業と醸造、米の発酵で大阪をつなぎたいと願う。
●大阪どぶろく醸造所・大阪市中央区鎗屋町1-1-12
●代表銘柄:うつつよのどぶろく
●醸造責任者:藤井章弘
●主要な米の品種:亀の尾ほか
入ってすぐは「スタンドうつつよ」 Photo by Yohko Yamamoto
奥が醸造所 Photo by Yohko Yamamoto
醸造状況を表す黒板 Photo by Yohko Yamamoto
醸造所内 Photo by Osakadoburokujozojo
洗米 Photo by Osakadoburokujozojo
せいろで米を蒸す Photo by Osakadoburokujozojo
せいろで米を蒸す Photo by Osakadoburokujozojo
蒸し米の放冷 Photo by Osakadoburokujozojo
蒸し米の放冷 Photo by Osakadoburokujozojo
もろみ Photo by Osakadoburokujozojo
発酵中のもろみ Photo by Osakadoburokujozojo
元気な生どぶろく Photo by Yohko Yamamoto
どぶろくのソーダ割り Photo by Yohko Yamamoto
燗酒を製作中の名物店長もっちゃん! Photo by Yohko Yamamoto