新日本酒紀行 地域を醸すもの 日本酒

新日本酒紀行 地域を醸すもの・DASSAI BLUE NO.318

新日本酒紀行「DASSAI BLUE」
酒蔵外観 Photo by Dassai Blue Sake Brewery

新日本酒紀行 地域を醸すもの「DASSAI BLUE」

米国ニューヨーク州ハイドパーク市

最高の山田錦で最上の純米大吟醸酒を米国で醸す』

 山口県の山奥の旭酒造が醸す、山田錦の純米大吟醸酒「獺祭(だつさい)」は、明快できれいな味が国内外で愛飲され、製造量の4割を輸出する人気酒だ。
 価値向上を目指して海外生産に挑み、米ニューヨーク州ハイドパーク市に今年の9月、酒蔵を開設。2017年に着工を計画したものの新型コロナウイルスの感染拡大や設計変更が重なり、完成に6年もかかり、建築費は予定の30億円の3倍近くに膨らんだ。

 米国でも日本同様、山田錦で純米大吟醸だけを醸す。米は10kg単位で手洗いし、麹は手造りと少量仕込みを徹底。
「なぜ山田錦で純米大吟醸なのか?最高にしか興味がないからです」と会長の桜井博志さん。米国に移住し、全責任はわれにありと陣頭指揮を執る。

 食米を含めた日本の米総生産量700万トン弱のうち、「獺祭」は山田錦を1万トン使う。博志さんと息子で社長の一宏さんは全国の農家を巡る中、「米農家に夢を持ってもらいたい」と考え、5年前から「最高を超える山田錦プロジェクト」を開催。
 グランプリ米の賞金は60俵3000万円(市場価格の約25倍)で、条件を満たした山田錦は1俵5万円で購入。
 重視するのは、心白が小さく、玄米の中心に発現するという独自基準だ。
 今は日本産米で醸すが、今後は米アーカンソー州の農家、Isbell Farmsの基準を満たす優良な山田錦でも醸す。
 桜井さん父子は、新ブランドを「DASSAIBLUE」と命名。
「青は藍より出でて藍より青し」からで、「日本の獺祭を超えてほしい」という思いを込めた。

新日本酒紀行「DASSAI BLUE」
↑DASSAI BLUE Type 50
●Dassai Blue Sake Brewery・5 St.Andrews Rd, Hyde Park, NY 12538
●代表銘柄:DASSAI BLUE Type 23、DASSAIBLUE Type 35、DASSAI BLUE Type 50
●醸造:社員●米の品種:山田錦
新日本酒紀行「DASSAI BLUE」
酒蔵外観 ALl Photo by Dassai Blue Sake Brewery
新日本酒紀行「DASSAI BLUE」
3代目の桜井博志さん(左)と4代目の一宏さん
新日本酒紀行「DASSAI BLUE」
米アーカンソー州の山田錦栽培農家Isbell Farms
https://www.instagram.com/isbellfarms/
新日本酒紀行「DASSAI BLUE」
米アーカンソー州の山田錦栽培農家Isbell Farms
新日本酒紀行「DASSAI BLUE」
米アーカンソー州の山田錦栽培農家Isbell Farms