「心地いい暮らしがしたい 素食がおいしい。vol.4」で昆布のイロハを教えていただいた大阪のからほり通り商店街にある、老舗の昆布やさん「こんぶ 土居」。
なんと、だしのとり方教室を始めたのだとか。人数は6名(2名ひと組で3組限定)。受講料は230円(なぜ、230円かには深い意味が)。先生は土居純一さん(独身!)と、お父さんの成吉さん。
日本一の昆布、正真正銘の天然の真昆布です。しかも特級クラスの川汲浜のもの。葉肉も厚く、幅も広い最高級品。色もややあめ色がかったほんまもん。上品なうまみと甘みがあり、澄んだだしがとれるという品です。
昆布の力を最大限に発揮させるために大事なことは
「昆布は乾物。かならず水でしっかりもどしてください。真価が発揮できません。2時間。できればひと晩もどすと最高のだしがとれます」
せっかくのいい昆布でも、力を出しきらなければモッタイナイ! 昆布は乾物だってこと、改めて肝に命じるの巻。
こんぶ 土居的「日本一のだしのとり方」
昆布+鰹節のスタンダードなだし
水 1リットル
真昆布10〜15g
鰹節(昆布と同量)
自然塩2〜3g
ひと晩つけてぷっくりもどった真昆布を、つけた水ごと弱火にかけます。沸騰したら火を止めて昆布を取り出します。
「いい昆布なら少しくらい煮立てても大丈夫です」
取り出すと、こんなに大きくなっています。ビッグショック。「あとで佃煮にしてください」 はい!
このあと鰹節を入れ2〜3分おいてすばやく網でこします。温度が下がった分、もう一度火にかけ、塩を2〜3g加えます。
「はい、完了です」
出来ました。なんと早い。日本一のだしなのに、あっというま!
「フランス料理だとこうはいきませんね(笑)」
きれいに澄んだ出来たてのだし! 美しい〜。
さて、試飲。
つーぃ。おぉ、すこぶるうま味が濃い。濃すぎるほどです。じつは、塩を入れる前にも試飲しましたが、塩不要というくらい味充分でした。ですが、塩を入れて飲んだら、これまたピシリとしまって完璧。
さっそくお椀に注ぎます。
「いいだしなら、具は三つ葉や麩くらいがいいですね」と純一さん。
「和食の1万円のコースに出されるだしと同じですよ。いや、それ以上のコースなのかもしれません(笑)」と成吉さん。
「好みですが、醤油を香りづけ程度に1〜2滴落とすと、味が丸くまとまります」
ぽと、ぽとり。つーぃ。 おぉおおぉ。本当です。
こんぶ土居さんからのone point*
「品質の良い昆布や鰹節なら、温度や抽出時間にあまり神経質になる必要はありません。もし、雑味の出やすい原料を使用する場合は、少し低めの抽出温度にすることですっきりとした味のだしがひけます」
店内にはありとあらゆる昆布で一杯。真昆布の種類もさまざま。日本橋の高島屋でも買えますが、本店でしか買えないレアなアイテム多し。
細切りしおふき、刻み昆布、こんぶあめなどオリジナル製品も数多く、目移りしてしまいます。中でも25年ほど前に作ったという人気の品が「帆立と昆布の 柱こんぶ」。
北海道南茅部産の天然真昆布と天日干し天然帆立貝柱を、醤油、酒、みりんで味つけた逸品です。最近、類似品が出たそうです。
「内容を真似してくれるならいいんですけど」と残念そうな成吉さん。
アミノ酸や酵母エキスなどで人工的に味つけした食品が多いことに危機感をもっている土居さん。それぞれの商品のパッケージに詳しい原材料と、ものによっては割合まで事細かく紹介されています。
「真似してもらえたらええと思って」
えっ!? !Σ(▼□▼メ)
柱こんぶの袋を見てびっくり仰天
「醤油17.6g(大豆・小麦・塩)、昆布16g(道南産天然真昆布)・帆立貝柱8g・酒4.3g(米・米麹)・みりん4.3g(もち米・米麹・米しょうちゅう) 内容量40g
ここまで書いてある商品なんて見たことありません。
さて、230円の講習料のナゾを聞くと
「使った昆布と鰹節と塩の実費です」 なんとっ!! (^^)b
230円あれば、最高級のだし1リットルがとれるという意味なのだそうです。そんな手軽な贅沢!してみたいですね。昆布さえもどしてあれば、あっというま。スタバのコーヒーより安い日本一のだし。おうちでゆっくり味わってみませんか?
・「こんぶ 土居」さん料理雑誌「四季の味」夏号(6月発売)で紹介されるそうです。要チェック!
大阪市中央区谷町7−6−38
電話06-6761-3914
FAX06-6761-7154
*谷町六丁目駅 4番出口を右に進み、からほり商店街を入って左側にあります。
営業時間 9:00〜18:00
日曜祝日定休 夏期、年始休み