↑スタンダードの三河みりん(左)と有機栽培された原材料を使った有機三州味醂(右)
商品紹介ページ
下北沢の発酵デパートメントで
愛知県碧南市の三州三河みりん醸造元角谷文治郎商店の三角 祐亮さんの話を聞きました。
↑ 三角祐亮さん
「みりん=味淋=とは、もち米、米こうじ、米焼酎 」から造られる甘みとうまみがたっぷり〜のお酒です」と三角祐亮さん。
愛知県の醸造業は、昔から盛んで、今も、味噌が全国2位、醤油は3位、日本酒は5位!という醸造県
しかも、酢、たまり醤油、豆みそ、白しょうゆの蔵も、減ったとはいえ、いまだ数多く残っていると。
そんな、愛知は醸造県である話
そして
みりんの基本などを教わりました。
●みりんの歴史
みりんのティスティングです!
1本当の伝統醸造の本みりん
2なんちゃって本みりん
3酒販免許がなくても販売できるノンアルコールのブレンド調味料(塩入り)
この日、三角祐亮さんに教わって
「えええええっっっっ」と驚いた事実!
原材料表記についてです。
原材料表記といえば、
「多い順から書く」のが基本ですよね
じつは、
それは、
農林水産省の管轄の商品の話!
本みりんはアルコールを含むので
国税庁管轄の酒類
ゆえに、本みりんは酒なので、酒類販売できる免許を持たないと売れない商品です。
なんと
その場合
「必須原料」の「順番」で良いのだそうですよ!
お・ど・ろ・き・ました
スーパーで安く売られている”名ばかりの 「本」みりん”
「本」とついてますが、その原材料表記は、多い順ではないそうです。
例えば、どんなに!
水あめ、その他の糖類を入れても
醸造用のアルコールを入れても、
一番、最後に表記すればすむと
唖然・・・
今まで、知りませんでした・・・
しかも、「本みりん」で加えて良い糖類は、米の250%もOKという
=2.5倍の糖類を加えても、良いそうです!?
米麹の甘みで醸し出すのが伝統的な本みりん!
それ以外の邪道な「本」みりんがあるのも事実。
というか、そっちが主流。みなさん、原材料の裏表記を、しかとチェックしてくださいね。
糖類に醸造用アルコール入れても、
「本みりん」が名乗れる日本は、オカシイ・・・
と、常々思っていましたが、原材料表記まで、一般商品と違うとは・・・・唖然でありました。
自然食品店で売っている商品でも、不可飲措置として、塩を加えているものもあります。
それは、酒販免許を持っていないスーパーマーケットなどで販売するために、”わざわざ塩を入れている” のであります。
私が料理編集者時代、この塩入りみりん風調味料 を使っている料理研究家の先生のレシピには、泣かされました。
レシピで塩の量が少ない先生に、「先生がお使いのみりんは、『味の母』ですか?」(あ、言っちゃったよ商品名) と聞くと、「そうよ!よくわかったわねえ」と自信たっぷりに言われるのです。(決して、その商品が悪いわけではありませんよ。お間違えなく)
塩入りだから、便利な商品なんですが、レシピを起こす立場的には、困りました。
塩入りのみりんは、本みりんではなく、発酵調味料と呼ばれています。塩分は2%
これは、本来の伝統的な、「本みりん」ではありません。「発酵調味料」です。
米だけのうまみ! 糖化力!
お米がたくさんとれる国、日本。
わざわざ減反しなくちゃいけない日本。
お米をたっぷり使う本当の本物の伝統醸造のみりんを、もっときちんと広めなくてはと、気持ちあらたに、お話しを聞いて思いました。
三河みりんさんの原料は、契約栽培の、もち米、うるち米、そして自社で製造する本格米焼酎のみ!
すべて生産者さんがトレースできる原材料だけだそうです
もちろん
醸造用のアルコールと水あめは一切不使用。
発酵デパートメントさんで販売していますよー!
そのレクチャーを聴いてから
みりんのソーダ割りや「柳蔭」「梅酒」などを楽しみました
祐亮さんが、なぜ、みりんに関わるようになったのかも。
神奈川育ち早稲田大学から新聞社経由の三河みりんという人生ストーリィ★
近藤 里紗 さんが作ってくれたみりんソーダも美味
香酸柑橘とバジルが合うそうです!
料理に入れる調味料は、おいしくて飲みたくなるほどのクオリティを選びたいものです。面白くおいしく為になる1日でした〜!!!
小倉 ヒラク さんありがとう。次回も楽しみにしています。
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↓以下は、農林水産省affで白扇酒造さんを取材したときの原稿です
お宝!日本の「郷土」食 6 [岐阜県加茂郡]
『お屠蘇はもち米の味醂で』
お正月の浮かれた気分を「おとそ気分」といいますが、正月の酒ならなんでもお屠蘇と思ったら大間違い。お屠蘇と呼べるのは、生薬を配合した屠蘇散(とそさん)を入れたお酒だけ。一年間が健康で過ごせる(と言われる)薬効あらたかな薬酒がお屠蘇なのです。「酒は百薬の長」といいますが、その長の中でもトップはお屠蘇。良薬は口に苦しどころか良薬なのに口に甘い。
お屠蘇は味醂か日本酒、もしくは両方半々に、桂皮、山椒、生姜、山梔子(さんしし)などの生薬を六種類ほど漬けて造ります。生薬は酒のアルコール分によって抽出され、他の生薬と合わさって効き目がアップ。選ばれし生薬は20種類以上ともいわれます。屠蘇酒(とそしゅ)は中国で生まれ、平安時代に宮中行事として定着しました。今でも宮中では初詣にあたる四方拝の行事のあと、お屠蘇をいただく習わしだそうです。
「お正月、床の間に飾る鏡餅は、蛇がとぐろを巻いている姿なんですよ」と白扇酒造の加藤孝明社長。「昔から蛇は神様のお使い。鏡餅を真上から見ると同心円でしょう、これは蛇の目です。蛇の目は日本酒のきき酒に使う、きき猪口の底にも描かれているように魔を払う力があるのです」。
白扇酒造では日本酒の他に、味醂、焼酎を醸造する蔵で味醂の屠蘇酒も販売しています。昔から年末になると味醂に屠蘇散をおまけでつけていましたが、だんだん作る人が減り、お客さまの要望で屠蘇酒を造るようになったとか。
近年、「みりん」というと時間とコストをかけない簡易的な造り方がほとんどですが、白扇酒造は昔ながらに日本酒造りから手がけます。日本酒は蒸留して米焼酎にし、そこへ米麹と、蒸したもち米を入れて味醂もろみを造ります。そのもろみを90日間かけ、ゆっくりとタンクで発酵。焼酎の中でもち米がじんわり溶け、うまみを含んだ甘みに変化。「焼酎の中で甘酒を造ってるようなもの」と加藤さん。発酵が終わった味醂もろみを絞り、さらに味わいが丸くなるまで3年間熟成させています。
伝統的な製法を頑に守った味醂は、とろりと香ばしく極甘。「昔は飲むもので、婦人のナイトキャップでした」と加藤さん。複雑なうまみが層をなし、白砂糖ともメープルシロップとも違う爽やかで濃厚な甘み。後口がいいのは米由来だから。米と共に生きてきた日本人には、米を糖化させる食文化があったのです。手間と時間をかけた熟成味醂ですが意外に安価。「米代も高くて、手間もかかって、これがお酒だったら大吟醸並に頂戴したいところですが(笑)」500mlで766円と良心的。毎日の暮らしに使ってほしいという思いが込められています。
お屠蘇は味醂にこだわる加藤さん。「ハレの日の食事は餅や赤飯など、必ずもち米。新年のお屠蘇にふさわしいのも、もち米からつくる味醂だと思います」。
代々伝わってきた風習や行事。合理化という名の下になくしてしまうのは簡単ですが、先祖代々が経験値で受け継ぎ、時間に磨かれ、良いものだけが残っているのも事実。お屠蘇は身体を温め、血行を良くし、胃腸の働きを整えます。風邪予防にもなって合理的な面も。
元旦の朝、家族揃ってお屠蘇をいただく。年明け一番の米の酒には深い意味があるようです。
◉白扇酒造