新日本酒紀行 地域を醸すもの 日本酒

週刊ダイヤモンド 新日本酒紀行 地域を醸すもの・司牡丹 NO.176


週刊ダイヤモンド20200919号 

新日本酒紀行|司牡丹酒造竹村昭彦さんを取材しました。 

↑「仁淀ブルー」のラベルは写真家の高橋宣之さんが撮影

この蔵で一番好きなお酒は、「司牡丹 仁淀ブルー

7号酵母を使い、見た目通りの爽やかな透明感ある純米酒です。

仁淀川(によどがわ)はこちらに詳しく→仁淀ブルー


誌面ではJR佐川駅(四国旅客鉄道)の写真が極小でしたが

蔵はJR佐川駅から徒歩5分

↑オンラインでは大きな扱い(嬉)

ホームでパチリしたディーゼル車!

高知駅までの列車旅の間も、竹村さんにいろいろ伺ったのであります。

https://diamond.jp/articles/-/248610

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『原料米、仕込み水、

土佐の風土色あふれる、

仲間になる酒造り』

「仲間になる。それが土佐酒」と高知県内の18蔵で「TOSA NAKAMASAKE」をブランドコンセプトにした高知県酒造組合

そのまとめ役の長が司牡丹酒造社長の竹村昭彦さんだ。

 仲間とは土佐弁でシェアを意味し、酒や食のみならず、技術も仲間。全蔵の酒造りのデータを共有し、酒の品質向上を狙う。

竹村さんの蔵は創業1603年。仁淀川の中流域、佐川町にある。

↑曾祖父が書いた酒造心得

関ケ原の合戦の功績で土佐一国のあるじとなった山内一豊。その筆頭家老の深尾重良と共に中部地方から移住した御用酒屋が先祖。

古い蔵は江戸末期の建築で、長さ85mの白壁蔵。他に最新鋭の醸造機械を備えた平成蔵と吟醸蔵がある。

白壁蔵 Photo:TsukasabotanShuzo

大吟醸は麹蓋で麹を造る Photo:TsukasabotanShuzo

司牡丹酒造社長の竹村昭彦さん

搾り機の槽

竹村さんは原料米にも情熱を注ぐ。

25年前に永田農法の永田照喜治先生の講演を聞いて感銘を受け、地元農家への指導を依頼。先生に付いて各地を回った。

↑「永田農法 純米酒」

水や肥料を極力減らして植物本来の力を引き出す農法は、環境の負荷も少ない。

酒造りは品質本位で、純米酒比率は64%、大吟醸を含む特定名称酒は82%と高水準だ。

仕込み水は仁淀川の伏流水。

土佐風土記で「神々に捧げるための酒造りにこの清水を用いた」と記されており、やわらかで甘みのある軟水。近年、水の青さから「仁淀ブルー」と呼ばれている。

↑司牡丹 仁淀ブルー 

竹村さんは酒の原点を知ってほしいとラベルに仁淀川の写真を施した。

清涼感と淡い柑橘の風味があり、刺身や寿司に柑橘をたっぷり使う土佐料理と相性抜群で盃が進む。

信条は「土佐酒飲んで、みんな、仲間に」だ。

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浅野杜氏の発案酒「二割の麹が八割の味を決める」

酒や器が揃う「酒ギャラリーほてい」

【DATA】

司牡丹酒造・高知県高岡郡佐川町甲1299

●代表銘柄:司牡丹 船中八策、司牡丹・永田農法純米吟醸酒、二割の麹が八割の味を決める

●杜氏:浅野 徹

●主要な米の品種:山田錦、吟の夢、土佐錦