新日本酒紀行 地域を醸すもの 日本酒

新日本酒紀行 地域を醸すもの・六歌仙 NO.319

新日本酒紀行「六歌仙」
玉苗の圃場 Photo by Rokkasen

新日本酒紀行 地域を醸すものNO.319

山形県東根市「六歌仙」Rokkasen

『中学生で酒蔵を継ぐと決心!

 地元密着の米で醸す酒』

 20年以上前にいち早くスパークリングサケを開発し、五段仕込みの純米酒など技術に定評がある六歌仙。山形県産米に特化し、雪女神、出羽燦々、出羽の里、つや姫など米の違いを楽しむ「山法師 純米吟醸」シリーズが人気だ。
「清酒だけで50種以上、本格焼酎にリキュールと、種類が多いのがうちの強み、酒のデパートです」と4代目の松岡茂和さん。
中でも特別なのが、地元の村山産業高校の生徒が育てた玉苗(山酒4号)の酒。地元の米問屋と、高校の前身の村山農業高校が共同で開発した米だ。

 茂和さんが蔵を継ぐと決めたのは中学生の時。
中学校の三者面談で父、茂暎さんが「おまえが酒蔵を継がないなら廃業する。継ぐなら大規模設備投資をするが、どうする?」と先生の前で聞いたのだ。

  中学生には重過ぎる選択だったが、「継ぎます!と答えちゃいました」。

 その後、茂暎さんは言葉通り設備を導入。外界と隔離されたタンクや製麹機を、宇宙船の管制室のような操作盤で管理を行う最新鋭の酒蔵へ。

 「先代杜氏は、俺が見張られてる、機械は嘘をつかないからと。あくまで機械は手足の一部にすぎません。人の感性が頼り」(茂和さん)。

  敷地内に古民家を移築し、販売と試飲を年中無休で行う。秋の蔵開きや、冬の蔵参観、雪中熟成酒の掘り起こし体験など、社員発の企画が多数。お客様に楽しんでもらおうと全員で動く。「うちのモットーは、出る杭を伸ばそうです。六歌仙、元気だねと言ってもらうことが、何より嬉しい」と茂和さんは笑顔。

 

↑「六歌仙 五段仕込み純米」
六歌仙・山形県東根市温泉町3-17-7
●代表銘柄:六歌仙、山法師、Hitotoki、蔵の隠し酒、手間暇
●杜氏:須藤賢一
●主要な米の品種:雪女神、出羽燦々、出羽の里、つや姫、玉苗、美山錦
新日本酒紀行「六歌仙」
玉苗(山酒4号)の圃場 Photo by Rokkasen
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玉苗の稲穂のみのり Photo by Rokkasen
新日本酒紀行「六歌仙」
玉苗で醸した「山法師 純米吟醸 玉苗」 Photo by Yohko Yamamoto
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「山法師 純米吟醸 玉苗」ボトル裏面のラベル Photo by Yohko Yamamoto
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製米所 Photo by Yohko Yamamoto
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製米所
新日本酒紀行「六歌仙」
雪女神の玄米と50%精米 Photo by Rokkasen
新日本酒紀行「六歌仙」
蒸米機と放冷機 Photo by Yohko Yamamoto
新日本酒紀行「六歌仙」
蒸米機と放冷機を稼働中 Photo by Rokkasen
新日本酒紀行「六歌仙」
蒸米機と放冷機 Photo by Rokkasen
新日本酒紀行「六歌仙」
宇宙船のような、コントロール室の制御盤 Photo by Yohko Yamamoto