↑2022年10月に開店した買い物や試飲が楽しめる「mau.」Photo by Yohko Yamamoto
ロングセラーの山廃純米酒が近年、美しい味の進化を遂げて感動!穏やかな丸みあるコクと余韻の長さ。値段が安すぎます。
『伝統を革新し次代へ!
進化する蔵の山廃純米酒』
膨らみある山廃の純米酒がロングセラーを続ける車多酒造。1960年代、7代目の車多壽郎さんが、特徴あるうまい酒を目指し、能登の名杜氏、中三郎さんと苦心の末に造り上げた。
現社長は8代目の一成さん。壽郎さんの長女、寿子さんと大学時代に出会い、大吟醸の熟成酒「吟こうぶり」を飲み、日本酒のおいしさに開眼。壽郎さんに「婿に入れ」と言われ、銀行を辞めて蔵入りし、約30年。
入社後は、天狗舞と対を成すブランド造りに着手。速醸酛で軽くモダンな「五凛(ごりん)」を立ち上げ、特約店で販売し蔵の2本柱に成長させた。
酒造りの面白さにはまり、酒母をいじり不思議な味の酒ができて、杜氏を焦らせたことも。「それ以来、山廃の酒母室には錠がかかり、醸造責任者以外は入室禁止に(苦笑)」(一成さん)現杜氏の岡田謙治さんからも「方向性を、実務は我々が」と宣言された。笑い話も苦労話も山ほどある。
「天狗舞 山廃仕込純米酒」
●車多酒造・石川県白山市坊丸町60-1
●代表銘柄:天狗舞 山廃純米大吟醸、天狗舞 吟こうぶり、五凛 純米大吟醸、五凛 純米酒 ●杜氏:岡田謙治
●主要な米の品種:五百万石、百万石乃白、山田錦
酒蔵外観。手前の右の石壺から仕込み水があふれる。Photo by Y.Y.
左から杜氏の岡田謙治さん、車多一成さん、常務研究開発室長の徳田耕二さん
特等山田錦
精米所
回転式自動洗米浸漬装置
山田錦45%精米
速醸酛の酒母室
吟醸仕込み蔵