週刊ダイヤモンド2021年6月12日号が
ダイヤモンドオンラインでUPされました🌾
岡山県で雄町を復活栽培して酒を醸す、利守酒造さんをご紹介。
↑備前焼の大甕で酒を貯蔵した商品もあり。
↑長期熟成酒もあります。こちらは2001年醸造の全麹で仕込んだお酒。とろみ感とうまみたっぷり!
↑さまざまな賞を受賞
↑自社田の雄町 Photo:Toshimorisyuzo
新日本酒紀行「酒一筋」岡山県赤磐市西軽部
『日本最古の原生種雄町を
復活栽培した岡山の地酒』
(本文)
1980年代、酒造業界は価格競争に明け暮れた。
利守酒造4代目の利守忠義さんは、品質本位の別路線を模索中、1軒の農家が栽培する背の高い米と出合い感激した。
酒造特性に優れると昔の文献にあった雄町だったのだ。当時、岡山県は多収量の朝日が奨励され、雄町は絶滅寸前。わずかに神道の黒住教へ奉納するため栽培されていた。
忠義さんは、すぐに雄町推進協議会を立ち上げ、地元の旧赤坂町の農家と契約栽培を開始。
高額で全量を買い取り生産を支えた。
雄町での醸造は未知の世界だったが、現代の名工、但馬杜氏の田村豊和さんが最適な醸造法を編み出し、全国新酒鑑評会で金賞を連続受賞。
独特のうまさが評価され、東北の酒造家が雄町を使うと人気に火が付いた。
高値で取引され、農協が生産を拡大して県全域に栽培が広がったが「雄町に最適なのは花崗岩系の粘土質土壌で、寒暖差のある軽部地区」と忠義さん。
さらに、酒造容器の歴史にも目を向けた。
木桶の前は陶器だったと、備前焼の作家、森陶岳氏の大甕で酒を仕込み、定番商品に。
また、備前焼の窯元も務め、「酒は地域の価値を重ねた土地の情報搭載商品」と語る。
土地の文化をつなぐ酒造りを継承するのが2人の息子。
兄の弘充さんが5代目を継ぎ、全量自社栽培を目指す。
弟の信之さんは田村さんに師事し、杜氏を務める。
↑左から利守忠義さん、弘充さん、信之さん
今年の但馬杜氏自醸酒研究会では、純米と吟醸両部門で県知事賞をW受賞。
先代が生み出した雄町の酒を、兄弟が信念を持って引き継ぐ。
↑「酒一筋 生酛純米吟醸」
●利守酒造・岡山県赤磐市西軽部762-1
●代表銘柄:酒一筋 純米大吟醸、赤磐雄町ゴールド、天下人、酒一筋 赤磐雄町、秘蔵古酒
●杜氏:利守信之
●主要な米の品種:雄町
↑「酒一筋・時代おくれは、ワインでいえばソーテルヌ!」と利守酒造・利守忠義さん
↑忠義さんはオリジナルボトルも数々開発。
蔵と田んぼ Photo by Y.Y.
9月の雄町 Photo:Toshimorisyuzo
稲丈は胸の高さまで伸びる Photo:Toshimorisyuzo
【写真】仕込み水の井戸、森陶岳氏の備前焼大甕、神棚にも備前焼
仕込み水の井戸 Photo by Y.Y.
森陶岳氏の備前焼大甕 Photo by Y.Y.
甕仕込みの酒「天下人」 Photo by Y.Y.
神棚にも備前焼が Photo by Y.Y.
【写真】3段式こしき・木箱で造る麹、麹室、槽搾り、サーマルタンク
3段式こしきは前杜氏の田村豊和さんの案 Photo by Y.Y.
麹は木箱で造る Photo by Y.Y.
麹室 Photo by Y.Y.
槽搾り Photo by Y.Y.
サーマルタンク Photo by Y.Y.
全商品が揃う直営店は利守忠義さんご夫妻が営む。 Photo by Y.Y.
直営店の冷蔵庫には希少な酒も多数 Photo by Y.Y.
1998年と1999年の古酒 Photo by Y.Y.
山廃純米吟醸「時代おくれ」 Photo by Y.Y.
忠義さんと妻の登美子さんが毎朝、手作りする酒饅頭
直営店のみで販売
手作りの酒饅頭 Photo by Y.Y.
忠義さんと妻の登美子さん。ぜひ!直営店にGO★
https://www.sakehitosuji.co.jp
※週刊ダイヤモンド2021年6月12日号より転載
週刊ダイヤモンド21年6月12日号
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