2020年からリニューアルと新製品をリリースした「久保田」
日本酒を知らない人にも、わかりやすくと、ラベルには特定名称や英語表記も加えてデザインされています。
丸の内のDEAN&DELUCAで期間限定で開催された「SAKE&DOLCE」を体験しました。
DEAN&DELUCAがレシピを開発したというオリジナルメニュー。こちらは純米大吟醸ジェラートのアフォガード。エスプレッソの苦味とも相性抜群!
ラベルの情報がわかりやすくなりました。
初の黒いラベルなので「ブラック久保田」と名付けました(笑)
↑こちらは「純米大吟醸ホワイトチョコレート」で、カカオの風味ともマッチ★
新発売の「久保田純米大吟醸」が、DEAN&DELUCAで飲めるとは。
「久保田」醸造元・朝日酒造の時代に合わせた取り組みに興味津々に。
というわけで、週刊ダイヤモンド2021年4月10日号
「新日本酒紀行 地域を醸すもの」では「久保田」を紹介しています。
「久保田」発売の1985年は、ワインのボジョレーヌーボー が日本に上陸した年でもあります。
当時の日本酒は、特定名称の酒などほとんどなく、値段優先の普通酒が主流。
そして35年経った今は……
↑ 蔵の前には酒米の田んぼが広がる。環境保全型農業を行い、現在、作付面積は50ha!
『淡麗辛口吟醸蔵の
35年目のリニューアル』
(本文)
新潟の淡麗辛口を代表する酒「久保田」は、1985年に発売されたロングセラー商品。誕生の背景には、当時の清酒業界への危機感があった。
価格競争が激しさを増し、質より低価格優先の酒が増加。
消費者の酒離れを危惧した当時の朝日酒造の社長と工場長は、高品質な新しいタイプの酒造りに取り組んだ。
味を決めるのに重視したのは生活者の嗜好の変化。
肉体労働から知的労働へ、濃いめの味から薄味へと食が移り、淡麗辛口という新ジャンルを研究。そうして完成したのが淡麗で切れの良い久保田だ。
飲みやすくきれいな味は瞬く間に人気が上昇、淡麗辛口ブームを起こした。今もトップブランドとして信頼され、吟醸酒が全体の約75%を占める吟醸蔵だ。
世に出て35年がたち、さらなる時代の変化を受け、満を持して、2020年に代表銘柄をリニューアル。加えて、香りや甘味と酸味、切れを追求した純米大吟醸も発売。
カルパッチョやタルタルステーキ、柑橘類やメロン、イチゴにも合う味で、ラベルに英語も入れ、これまで日本酒を飲まなかった層を開拓する。
銘柄名は創業時の屋号、「久しく田んぼを保つ」と書く、久保田屋から命名された。蔵の信条に、「酒の品質は原料の品質を超えられない」とあり、1990年には理想の米を求めて、あさひ農研を設立した。
環境保全型農業を行い、現在、作付面積は50ha。地元の契約栽培農家とも協力しながら、時代を見つめ、田んぼと共に良酒を醸し続ける。
久保田 純米大吟醸
●朝日酒造・新潟県長岡市朝日880-1●代表銘柄:久保田 萬寿、久保田 千寿、久保田 碧寿、 洗心、朝日山 百寿盃●杜氏:山賀基良(朝日蔵)、大橋良策(松籟蔵)●主要な米の品種:五百万石、越淡麗
そして新商品を続々と開発中!2021年4月に『こうじあまざけ』と『スパークリング』もデビュー
こちらは↑新潟県のアウトドアブランドスノーピークとコラボした商品(コラボはスノーピーク のみ)「アウトドアで日本酒を楽しむ。」カテゴリーを育てる提案を。実際にアウトドアでテイスティングを行うそうです。きれいな味わいは桜や新緑のなかで飲むのにふさわしい一本🌿『爽醸 久保田 雪峰』https://kubota-seppou.jp/seppou/
稲刈り前の9月の田んぼ
精米
五百万石の精米50%
小さく磨いた大吟醸用の酒米
浸漬度合いを確認
麹菌を振る
もろみを攪拌
朝日蔵の杜氏、山賀基良さん
松籟蔵の杜氏、大橋良策さん
朝日酒造の外観、冬
朝日酒造の外観、夏 Photo:Asahi-shuzo
重厚感ある純米大吟醸の「萬寿」、今は「純米大吟醸」と特定名称名が入る
久保田の原点である吟醸の「千寿」
洋食や中華にも合うように設計された「千寿 純米吟醸」
じつは、山廃仕込みの久保田もある!純米大吟醸の「碧寿」 Photo:Asahi-shuzo
酒食ジャーナリスト 山本洋子
※週刊ダイヤモンド2021年4月10日号より転載